合格とは、志望校のすべての教科の合計得点が、
その中学の合格最低点、もしくはそれを1点でも超えること。
この意味することは、教科別や科目別・問題別の難易度とは
無関係に各教科の合計得点と成績順位のみで合否が決まってしまうということ。
難易度が違うにもかかわらず算数の1点も社会の1点も同じ1点。
この意味することは「他の子が解けないような算数の難問がいくら解けても、
どの子も解ける社会の暗記問題をしくじれば試験に落ちる」ということ。
中学受験はあくまで「総合点」がすべてなのです。
それが決しておおげさではないことが、
下記5校の入試結果(各校の公式ホームページから抽出)が証明しています。
各校の「合格者平均点と受験者平均点の差」は、わずか2点~8.9点。
つまり受かるも落ちるもわずか数点。問題数にしてたった2~3問。
今まで何年も頑張ってきた努力が、たった5分程度で覚えられる
社会の暗記問題をミスしただけで水の泡になってしまう。
そんなレベルの戦いなのです。
またこの合否ライン(合格最低点)前後に最もたくさんの受験生が
ひしめきあっていることも現実であり、志望校に無事合格した生徒が
「社会の得点率が極めて高い」というのも事実です。
言い換えれば社会の得点率と合格率は、比例関係にあるとも言えるのです。
合計点順位だけで合否が決まる中学受験、わずか数点の差で
合否が決まる中学受験だからこそ、そのわずか数点を、算数で稼ぐか?
社会で稼ぐか?どちらが簡単か?
社会は完全唯一の暗記教科であり、やればやっただけ、
覚えれば覚えただけ一番簡単に得点に結びつく教科。
また「考える教科」ではなく「覚える教科」なので学習センスもいらない、
どの子もできて当たり前の教科でもあり、絶対に苦手にしてはいけない教科なのです。
社会というのは他の教科と違い
「演習に時間をほとんどかけなくてすむ即効性の強い教科」です。
したがって絶対に塾任せにできない教科であり、
「家庭学習」がもっとも重要な教科です。
社会を塾任せにしているだけでは暗記の時間が不足してしまい、
成績は絶対に伸びません。
幸いなことに、算数などと違って、社会は大人にとっても大変みじかな話題が多く、
子供と一緒に二人三脚で勉強したり覚えたりできる教科です。
社会は追い込みが効くから、後回しにしても問題ない。
優先すべきは、国語と算数。
暗記教科の社会は、早くから覚えても忘れるから、
6年の直前期に仕上げれば大丈夫。
中学受験においては、社会こそが早めに固めて
得点源にすべき教科であり、社会の後回しは危険です!
しかし多くの受験生は、「社会はたかが暗記教科」と
軽く考え後回しにしてしまう。
さてここまで読み進めていただいた方は、
中学受験における社会の位置づけが理解できたかと思います。
しかしながら、わずか10~12歳のお子さんが、
中学受験の戦略を立てられるでしょうか?
はっきり言って不可能です。
そもそも「中学受験は親の受験」とも言われますが、その意味は、
お子さんの学習能力そのものよりも、親が立てた学習戦略や受験戦略の
良否によって、受験結果が決まってしまうと言うことです。
親の受験における役割とは「志望校選択と対策」「塾選びとスケジュール対策」
「教科別・科目別対策」「家庭学習対策」「子供の適性とモチベーション対策」等、
最終的に「お子さんが志望校への合格を勝ち取る」までの
すべての最適化を図ることなのです。